中川繁夫の写真と文章

中川繁夫の写真と文章です。

2018年10月

愛の夢-34-

-34-
 リビングは6m四方で36㎡の広さだ。壁際には薪ストーブが置かれている。大きな布張りソファーがあり、ガラスのテーブルがある。大型のモニターがある。アンティークな調度品だが、明るいベージュが基調だ。男三人、女二人の五人がリビングにいる。
「さあ、飲みなおしだぜ、おれは今夜、ここに泊まるから、なっ」
持ち主の大村隆が言うと、小椋啓介と奈倉明夫が同調し、六甲のこの別荘に泊まるという。
「ええっ、そんなの、準備してないわ、泊まるなんて思ってなかったよ」
しばらく黙っていた志保が、かすれる声で、いう。可奈が、志保に、泊まるようにいう。
「朝まで、楽しむのよ、眠くなったら、寝たらいいんだし、朝までよ」
可奈は、このような形式のパーティーに慣れてる様子に、志保には思えた。志保が初めてなのだ。
「面白いで、わいわい、欲求、発散、バンザイだ」
「楽しもうぜ、志保ちゃん、可奈ちゃん、いいんだろ、こここまで来ちゃったんだぜ」
「ああん、わたし、どうしょ、彼に、言ってないわよ、このことぉ」
リビングは汗がでるほどに温かい。暖房がはいり、天井の扇風機がゆるやかにまわっている。可奈が、彼には内緒だという。志保は、内緒もくそも彼がいないから、内緒でもなんでもない。
「ああ、わたし、あたま、ふらふら、しています、ああ」
飲んだワインがゆっくりとまわってきて、意識が薄らいでいく志保。可奈はもう小椋啓介と抱きあい、いちゃついている。素保は、大村隆が目をつけていたから、自然と大村に抱かれてしまう。奈倉明夫は、ペアにならなくて独りのままだ。でも、輪番で、志保と可奈をまわしていくから、少し遅れるだけだ。
「いこ、ほら、可奈ちゃん、二階へ、いこ」
啓介が可奈の背中に腕をまわして促し、階段をあがって、六室のうちの一室に消えていく。可奈は、どうしたらいいのか、ふらふらになってはいるものの、事態はかろうじて把握できる。どうしたわけか、促されるまま、大村に抱かれて二階の別の一室に連れ込まれてしまう。
 二階の部屋は六畳の広さだ。ドアがあり隣と行き来できるツインルームだ。ダブルのベッドがある。部屋は暖められていて寒くはない。
「いやん、だめん、いやん、だったらぁ」
「なにゆうてるん、志保ちゃん、いいんだろ、楽しもうよ」
立ったまま、素保を抱いた大村が、なだめるように言う。志保は、朦朧としながらも大村の顔色がわかる。怖くはない、優しい顔だ。いい匂いがする。男の匂いだ。
「ああん、いやよ、あああん、いや、いや、だめよぉ」
抱かれて、着ているものを脱がされている自分がわかるのに、志保は、それ以上の抵抗はしない。
「おれも、脱ぐからさぁ、志保ちゃんも、脱ぐんだよ、全裸セレモニーなんだから、さぁ」
「ああん、ぜんらせれもにぃって、洋服、脱いじゃうの、恥ずかしいです」
「まあまあ、ほうら、手伝ってあげるから、さぁ」
ピンク色のカーディガンを脱がされると白いフリルが付いたブラウスだ。スカートは穿いたままで、白い靴下、ソックスが脱がされ、スカートをめくり上げられてしまう志保。一緒に大村も着ている服を脱いでいく。志保は、無抵抗だ。立っているだけだ。大村が、脱がしてくれる、と思っている。志保はブラウスのボタンをはずされ、ひろげられ、カーディガンと共に脱がされてしまう。キャミソールとブラジャーの上半身だ。立っている志保を、背凭れの椅子に座らせる大村隆。思っていたほどには抵抗しない志保を確認した大村だ。椅子に座った志保は、酒に酔ったふうで、ぐったり塞ぎこみ気味だ。
「志保ちゃん、いいんだよな、初めてじゃないよな」
椅子に座った志保の前に立った大村が、トランクスだけの半裸で立っていて、志保の肩に手を置いて、かるく揺すり気味で話しかけている。初めてじゃないけど、慣れてもいない。このまえ、向井啓介のスタジオで一回だけの体験だ。

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愛の夢-33-

-33-
 別荘の庭のバーベキューコーナーで、男が三人、女が二人、五人のパーティーが始まった。コンロに木炭で火が起こされ、盛りがついてくるまでの最初に、ビールで乾杯だと大村がいう。可奈は慣れた様子で、紙コップに注いでもらって、手にもっている。志保は、手にした紙コップに注いでもらうのだけど、余り飲めないから少しだけ、と告げたけど、なみなみと注がれてしまう。男三人のコップにもビールが注がれ、小椋が乾杯の音頭をとる。
「じゃ、ね、乾杯」
「乾杯っ」
「乾杯いいっ」
「いただきまぁあす」
志保は、少し飲んだが、冷たくて、飲めない。躊躇していると、奈倉が、ビールがだめならワインがいいよ、と言って、志保にグラスに注いだ赤ワインを渡してきた。志保は断れなくて、いただくことにした。少し甘いワインだ。口に含んで、飲んだ。ビールより飲みやすい。小椋が網に肉を並べ出し、煙が立ち上る。炭が赤くなってきて炎がちょろちょろ立ちだしてきた。まわりが温かくなる。スカート姿の志保、おなじくスカート姿の可奈だ。立ったままでコップをテーブルに置き、紙の取り皿と箸を持った。肉が焼けてきた。ジューシーな音がしてくる。
「志保ちゃん、食べなよ、たっぷり食べて、たっぷり飲もうぜ」
大村が、志保に目線を送りながら、食べることを促してくる。
「はい、食べます、いただきます、お酒は、あんまり、飲めないです」
「志保、遠慮いらないわ、今夜は、楽しむだけ楽しもうよ、ね」
「可奈、お酒、飲むから、いいけど、わたし、飲めないわよ」
「まあ、いいじゃん、男がいるんだから、いいじゃん」
可奈は、ビールを飲み干し、ワインを飲みだして、朗らかになってきている。志保は、なにかしら不安な気持ちになってくる。顔見知りの男子三人だけど、会話がうまくできないでいる。問われれば受けて答えるふうで、自分からはしゃべりこまない。
「食べようぜ、じゃんじゃん焼くから、な」
小椋啓介が焼き役で、次々と網の上に肉を並べて、食べるように促される。大村がワインを勧めてきて、志保は三杯も飲んだ。ふ~っと目の前がかすむように思えた志保だが、酔っていないと思った。
「飲もうよ、志保ちゃん、ほうら、ほうら」
「食べようぜ、志保ちゃん、いい肉だろ、柔らかい」
志保は、火照ってくるのは、炭火のせいだと思う。お肉を食べて、ワインを飲んで、いい気持になってくるのがわかる。可奈は、啓介や明夫と会話しながら、笑って、はしゃいで、元気ハツラツ、というところだ。夕闇が迫って、あたりは真っ暗になっていた。バーベキューコンロの回りは照明されているから明るい。そこそこ食べ終わったら、室内へ戻る。大きなフロアー、一階のリビングルームだ。
「ここで、もういっかい、飲みなおしだ、ウイスキー、ハイボールがいいな」
テーブルに乾きもののつまみが皿に盛られ、ビールとワインとウイスキーのボトルが置かれる。室内では奈倉が世話役になる。客人の久保可奈と大川志保は、男たちにモテるだけだ。志保は、室内に入ってきて、酔いがまわりだしている。

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愛の夢-32-

-32-
 別荘にバーベキューするコンロが作ってあるので、あとはバーベキューのための食料を買い込めばいいと奈倉がいう。買い物はイオンモールで、焼き肉用牛肉やウインナーや野菜を買い求めた。代金は大村がカードで支払った。可奈は、初めてではないらしい、と志保が思う。志保は、こういうパーティーというのは初めてだ。大学三年にもなって、初めてのことが多すぎる。
「楽しいわよ、志保も楽しまなくちゃ、ね」
可奈が、志保に、心構えを言ってくる。
「そうなのよ、男っていいわよ、そうね、成り行きよ、成り行きしだいで、いっちゃうかも知れないよ、楽しまなくちゃ、面白くないでしょ、大丈夫よ、スキン用意してあるから、たっぷり用意してあるから、それを使ってもらって、朝まで、楽しいわよ、気持ちいいのよ、志保、おくてではだめよ、お嬢さんぶてってはだめよ、わかった?」
大村という男子は、どういう素性の男子なんだろう、と志保が思うまでもなく、可奈が解説してくれる。資産家の息子で、ぐれているわけではないが、親のゆうことを聞かない同族会社役員の御曹司だという。カードで支払い、あとは会社の経理で落とすらしい、と可奈は聞いた話を志保にする。志保は酒造会社の御令嬢とまではいわないが、由緒ある家柄の娘だ。モラトリアム志保には、あてがわれた身の周りに不満はない。
「ちょっと、冒険ね、わたし、逃げたりしないわ、ほんとよ、可奈」
「そうなのよ、楽しまなくちゃ、そうでしょ、もう、大人よ、わたしたち」
買い物を終えて、クーラーボックスが用意してあり、食べ物をそのボックスに入れ、まだ時間があるのでドライブして、別荘に到着したのが午後五時前だ。庭にはバーベキューをする場所が作ってあり、屋根も設えてある。芝生の向こうは雑木林で、敷地は300坪だという。館は白いお城のような洋館で、個室が六部屋、吹き抜けの二階部にコの字になっていて二間続きになるという。大きなリビングには、薪ストーブがあり、ソファーやテーブルがある。壁面には60号の絵が何枚もかけられているし、大きなモニターが置かれている。
「そうだよ、貸しスタジオでもあるんだ、だから、こんなのさ」
大村が、志保に説明してくる。どうも大村は、志保が気に入ったらしい。大村の視線が自分に注がれているのを感じる志保だ。
「うん、このお皿らに、盛り付けて、庭に運んだらいいのね」
「そうそう、用意出来たら、始めるから、ね」
庭のバーベキューコーナーでは、ライトがつけられ、夜でも明るい。いよいよパーティーが始まる。ビールとワインが用意されていて、ビールで乾杯の音頭は小椋啓介だ。志保は、カメラマンの向井も啓介だったから、その名前に親しみを覚えた。

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愛の夢-31-

-31-
 学校へ行って社会学特講が終わって広場にいくと、可奈がいた。午後四時半になっていた。可奈は三人の男子学生と一緒だ。可奈は楽しそうに語らっている。男子学生は志保の顔見知りで男友達というほどには親しくなかった。
「なんや、可奈やん、一緒に喋ろ」
可奈に手招きされて、志保は男三人という数に戸惑ったが、歩み寄り、円座になった。
「愛車クラブってのを作る話をしていたところだよ、大川さんも入らないか」
「ええっ、あいしゃくらぶって?」
「こいつが、いい車、乗ってるから、それでドライブするクラブだよ」
「ちょうど五人だ、定員は、そんなもんだ、だろ」
「愛してるの愛と車の車で、愛車、くらぶだ」
男子学生たちは可奈や美穂より一年上、社会学部の四年生。その名前は、大村隆、小椋啓介、奈倉明夫といった。車を持っているのは大村隆で、白いベンツに乗っているというのだ。ベンツと聞いて、志保は兄の聖也が乗っている車と同じだと思う。だけど男子学生や可奈には、そのことは言わなかった。
「おやじの名義だけど、使わせてもらってるんだ、それに六甲山に別荘もあるんだ」
「連れてってほしい、ねえ大村先輩、ベンツに乗って、六甲山の別荘へ連れてってよ」
可奈は、はしゃぎながら、大村にいう。志保は、ドライブも別荘滞在も、それほど感動はしていない。でも、することないから、連れてってもらおうかな、と思う。
「ねえ、志保、別荘にはピアノがあるらしいよ、コンサートに使うんだって」
「そうなんだ、バンドを組んでいて、ピアノやる奴がいるんだ、それで、そういうこと」
志保は、ピアノと聞いて、なにかにスイッチが入った。ピアノを弾きたい、志保は、思った。
「じゃあ、明日、土曜日だし、ドライブして、別荘でパーティーするかぁ」
男子三人のリーダー格が大村隆だ。そのことでいえば女子二人のリーダー格は久保可奈だ。
 翌日、五人は阪急高槻市駅のターミナルで、10時の待ち合わせる。四人が揃ったところで大村がベンツをまわしてきて、乗り込んだ。運転席に大村、助手席に小椋、この二人は運転免許を持っていて、車に乗り慣れているからだ。奈倉は免許を所持していない。可奈はペーパードライバーだ。志保は持っていない。市内から名神に入り神戸で出る。そこからは地道で六甲の方へ向かった。
「いいなぁ、きょうは、女子同伴だからさぁ、うれしいねぇ」
「なによ、小椋さん、なら、わたしたち、男子同伴でいいなぁ、でしょ」
「そうなんちゃうん、ひとり余る、奈倉が余る」
「それはないぜ、みんなで共有だよ、共有財産、共産主義だ」
奈倉明夫が、ムッとしてやりかえす。ペアになることを暗示する小椋の言葉に、クレームをつけたのだ。
「そうよ、そうだわ、男も女も区別なし、みんなで輪になって、で、いいじゃん」
「可奈ちゃんがゆうとおりだよ、みんなで破廉恥やっちゃおう」
大村が、運転しながら、前を見たまま、言葉に交わってくる。昼は、国道筋にファミレスがあったので、そこで食べることになった。

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愛の夢-30-

-30-
 志保は啓介のスタジオを出て、地下鉄で梅田まで戻ってきて、雑踏の中に一人いることがこわくて、可奈にLINEしたけれど、会えないというので、そのまま河原町行きの特急に乗った。啓介のオフィス兼スタジオで、関係してしまった志保だ。下腹部がムズムズして、お腹を壊したのではないかと思うほどだ。セックスするのは初体験だった。処女を失った。志保には、気持ち的には落ち込みはない。ただ、雑踏の中に一人いることが、居場所がない感覚で、落ち着けないのだ。
<いいのよ、これで、いいのよ、わたし、いいのよ、いいの>
 特急は二人掛けのシートで、四人席の進行方向の窓際に座って、目を瞑った。午後からの出来事が浮かんでくる。モデルになって撮影してもらう。着替えてしだいに裸になっていって、抱かれて、抱きあって、男のモノを受け入れた。
<いいのよ、わたし、もう大人なんだし、啓介さん、また、会いたい>
後悔は全くなくて、むしろ関係した向井啓介と、また会えるかどうか、それが心細く心配になってきた。次に会うのは啓介が会いたいと言ってくるまで待たないといけない。次に会う約束はしていないから、終わるかも知れない。啓介の詳しいことがわからない。27歳で独立して事務所を構えているのだから、カメラマンとして立派だと志保は思う。可愛い男の子って感じがする。男っぽくない。男っぽくないというのは荒々しさがないということで、志保にはそういうタイプが好きだった。心斎橋で、初めてあって、それから何度かあって、南森町のスタジオへ行ったのは二回目だった。二回目でセックスの関係を結んでしまった。可奈と会えなくて、電車の中で、そのことは内緒にしておこうと志保は思った。女だから、だれでも一回やってくる事態だ。早いか遅いかの違いがあるが、志保は、自分で遅い方だと思っていた。高校生で経験する子もいるし、大学生で経験する子もいる。志保は大学三年生になっての初体験だった。長岡天神のワンルームに戻ってきた志保は、お風呂に入る。ショーツを脱ぐと少し出血した痕がへばりついていた。
 風呂からあがって体をバスタオルに巻いて、鏡の前に座る。ニコッと笑ってあげて、自分で可笑しいと思った。喉が渇いた。お腹が空いた。昼間に起こった向井啓介とのことは、遠い出来事のように思えた。
<わたしって、なにしてるんやろ、わたしって、だれなんうやろ>
志保は、静かなワンルームで、バスタオルを外し、裸体を鏡に映してみる。見知らない裸の女子が映っている。
<ああ、自分だわ、わたしの体だわ、不思議な体、変な体、だめ、だめよ、もう>
言葉にはしないが、胸の内でぶつぶつ、つぶやいているのだった。

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愛の夢-29-

-29-
 慎吾につけてあげて、可奈はもういちど腰に跨ってあげて、慎吾が仰向きになる。可奈は慎吾の腰に跨ったまま、正座の姿勢だ。
「ああん、いい、いい、ああん、いいわぁ、ああん」
「うん、うん、ああ、いい、可奈、いい、いい、いいよぉ」
可奈が手をさしだすと慎吾も手をさしだし、手と手を絡めて、倒れ込まないようにする。
「あん、あん、ああん」
膝から太腿をあげ、股をあげた可奈を、下から慎吾が突き上げる。
「ううっ、おおっ、可奈、ううっ」
「うぐっ、うぐっ、うぐううっ」
腰をあげたところへ、真下から慎吾のモノを挿しこまれる可奈。突きあがってくる気持ちのよさに、めろめろになってしまう大学三年生の可奈。感じる。感じすぎる。乳房がぷりんぷりんになる。乳首が起ってくる。ヌルヌルになる。慎吾のモノがブスブスと挿されてくる。可奈は、もう、気持ちよくって、われを忘れて、没頭する。
「ああ、ああ、いく、いく、ああ、ああ、いっちゃう、いっちゃう、ぅううっ」
慎吾を跨いだまま、可奈がオーガズムを迎えてしまう。下から突き上げてた慎吾がストップ。そのかわり可奈がぺたんと股を慎吾に密着。股から尻を、前へ、後へ、前へ、後へ、前後に動かし擦って、慎吾のモノで可奈の奥を擦る、擦る、擦る。
「おお、ああ、いい、いい、可奈、おおおおっ」
慎吾のモノがピクンピクンと痙攣し、あわせて可奈がオーガズム、頂上へ、駆け上る。慎吾の痙攣が終わるころ、可奈は慎吾に倒れかけ、ぐったり、気を失ってしまう感じだ。静止して、可奈は慎吾の腰から股を外しておんな座りだ。慎吾の処理をしてやる可奈だ。じっくり、男のモノを観察しながら、可奈は慎吾の世話をする。
「うん、よかったわ、好き?、わたしのこと?」
終って、気が戻ってきて、スキン処理しながら、可奈は、慎吾に言葉をかける。
「うん、よかったよ、可奈のこと、好きだよ、好きだよ」
「わたしもよ、好きよ、慎吾のこと、好きだから、東京行っても忘れちゃいやよ」
「うん、忘れないよ、忘れたりするもんか、こんなに好きなんだから」
可奈は、ショーツを穿いて、ブラトップを着て、ぺたんとちゃぶ台の前に座り込む。慎吾はトランクスにしてシャツを着た。お茶が残っている。買ってきた弁当を食べる。慎吾は、可奈が買ってきてくれたカツ弁当を食べる。可奈は野菜のサラダが多いから揚げ弁当だ。食べながらの会話は極力控えて。ほぼ食べ終わって、時計はまだ夕方の時刻だった。
 可奈のLINEに志保からトークが入った。
「なにしてる、わたし、梅田よ、どこにいるの」
可奈は、五分間の間をおいて、志保に返信する。
「したとこよ、わかる、志保に」
「どうゆうことかしら、会えないかしら」
「会えないよ、また、するから」
「わかった、了解」
志保が梅田にいるというのだ。LINEしてくるんだから一人でいるんだ、と可奈は思う。まだ経験したことが無いという志保。子供だな、志保は、お嬢さまだけど、子供よ、志保ちゃん。可奈は、一年先輩の大村慎吾と愛欲三昧している日々なのだ。

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